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2.17. GRAPEVINE TOUR2003         "CURRY'S SOUNDTRACK"@広島クラブクアトロ ライブレポート  2002年12月1日。GRAPEVINEのベースであり、リーダーであった西原誠さんが脱退して  から、約2ヶ月が経った時の、ライブでした。本来なら、一年間休養し、復活した  リーダーの、「お帰り」ツアーになっていたはずが、リーダー脱退後の、三人になった  GRAPEVINEのお披露目ツアーになってしまった今回のツアー。演る側はどうか分かり  ませんが、見る方にとっては、「本当にリーダーは脱退したのか」「三人になった  GRAPEVINEはどうなるのか」そういった思いを抱えて、見に行くことになり。開場して  から開演まで、ある種の緊張が、ライブ会場にはあふれていました。  入場してきて、まず見たのはベース。サポートベースの方でした。あぁ、やはり、リーダー  は、いなくなったのだなぁ、と確認して、ボーカルの田中に目を移すと、満面の笑み  を浮かべて、ギターを抱えていました。そして、ベースの人に「どうぞどうぞ」という  ような仕草をして、マイクの前へ。サポートベースの方が、ステージ前に出て、ベースを  激しくかき鳴らし、ライブがはじまりました。  一曲目、ベースから始まる、「ナポリを見て死ね」。それまで、ある意味葬式気分だった  私の気持ちを音で押し流し、客のテンションを一気にあげてきました。そして一拍おいて  から、「Tinydogs」「ドリフト160(改)」「BLUE BACK」「マダカレークッテナイデ  ショー」まで一気に演奏。ブルーバックは、もうテンション最高潮まで持っていかれ  ましたね。そして、「熱いねー!広島熱い!」と田中が叫び、「ふれていたい」へ。  ライブで盛りあがる曲が、五曲、のっけから一気に演奏されたわけです。熱い、と言う  のは、客のテンションだけでは無く。長袖を着ていた人が、袖を肩まで巻くりあげ、酸欠  にあえぐほど、室温は一気にあがっていました。ふれていたいの後は、少し沈黙があった  あとに、やっとスローナンバーの「Reverb」に。そこで、やっと会場が一呼吸つく雰囲気  になりました。そしてそこからは、一転して、スローナンバー中心のナンバーが立て  続けに演奏されることに。「ナツノヒカリ」「Sundown and hightide」「Our Song」  Sundown and hightideでは、照明が、ステージを西日のような真っ赤な色に染めまし  て。曲の切なく怪しい雰囲気とあわせて、魅入られるような感覚を覚えました。軽い  MCをはさんだ後、田中が、エレキギターをアコースティックギターに持ち替えて、  「それでも」「マリーのサウンドトラック」「Colors」と、さらに切ないナンバーを  演奏。Colors は、田中が自ら何か機械をいじって、残響を用いたアレンジで、頭の中まで  震えるような音を作り出していました。今回のライブで一番アレンジがいい曲だったと  思います。  まぁそれにしても、別れや孤独を思わせる歌詞の曲が、これだけ続くのも珍しい。多分、  私だけじゃないと思うんですが。その一連の流れで連想したのは、リーダーのことでした。  正直、ライブが始まる前は、GRAPEVINEの音を聴くのが怖い、とも思っていました。  やはり、「4人でGRAPEVINE」という頭がどこかにありましたので。  リーダーが抜けた穴を、簡単に埋められても嫌だし、大きな穴が空いたままで、GRAPEVINE  が続いていくのも、嫌だなぁ、と思ったからです。はじまってから、盛り上がっている間  も、ベースソロが聴こえるたびに、心のどこかで、何か、砂を噛むような思いを持って  いました。しかし、このスローナンバーのラッシュで。ゆっくりと。あぁ、リーダーは  脱退したんだなぁ。いなくなったんだなぁ、と。納得することができました。  そして、そういったスローナンバーの駄目押しとばかりに、「望みの彼方」が演奏され  ました。望みの彼方というのは、リーダーが、休養中や、脱退時のインタビューで、  絶望しそうになった時には、この曲を聴いていた、と語っていた曲でした。多分、ファン  の間では、リーダー脱退した時、この曲を聴きながら泣いた人、いっぱいいると思い  ます。というか、私がそうでした。とにかく、リーダー脱退の時の、曲でした。  サビで、まるで叫ぶように歌う、何かに訴えるようなボーカルを見ながら、ちょっと  涙腺ゆるみそうになりました。隣にいた男の人が、号泣していなかったら、多分、私も  泣いていたと思います。あぁ、リーダーは脱退したんだ。でも、GRAPEVINEは続いて  いくんだ。GRAPEVINEが、こんなバンドになることを望んで、リーダーは脱退したんだ。  そんな、ちょっと電波受け取ったような気分に、なっていました。  で。そこからはMC。去年のライブでは、MCがほとんどなく、あっても短かったの  ですが、今回のツアーから、「今まで、何で喋らなかったのか、反省して、MCを長めに  することにした」と宣言して、MCを始められました。でも、話すことを何も考えてなく、  困ったなぁ、と沈黙。そして、「じゃぁ皆さんの期待しているだろう、西原誠の話でも」  と明るく言いました。今までのMCで、「ベース脱退」とか一言も言わなかったので、  客は反応。「まぁ腕悪くして、やめたんですけど。…あ、広島は、西原誠の生地ですね。  残念! 凱旋ならず! ということで終わってしまったんですが。まぁ、僕らが勝手に  来て、演奏してます」「まぁ脱退したから、っちゅうわけではないんですが、はじめて、  西原誠と二人で酒を飲みに行きました。熱い話を色々としました」「実は、西原誠、  今度CDを出すらしくって。何? Tシャツとコラボレーションする、とか何とか。  元々、GRAPEVINEの中で、俺しか彼を『リーダー』と呼ぶ人はいなくて。誠も、『俺を  リーダーって呼ぶのは、田中君ぐらいやでー』とか言っていたんですが。今度のCDの  クレジット見てみたら、『Makoto Leader Nishihara』になってるんですよ。何? 気に  いってたんやん! えー、まぁTシャツとかの詳細は…そんなん、お前ら(客)の方が  よく知ってるやろ? (客;「6800円!」)あ、6800円なの?(客;「デザイン、超  かわいい!」) そんなん、褒めんでええねん! 何褒めてんねん、アホ! このアホ!  アホ! えー、6800円です。(客;「高いー」)そうや! そうなんや! 6800円、高い  っちゅうねんな。まぁ俺は、直接もらったわけなんですけれども。6800円出してでも  欲しい、っていう人は、またインターネット? で注文してください。」と、リーダー  話を5分以上されました。話している最中は、ずっと、田中は満面の笑み。何がそんなに  嬉しいのかは分かりませんが。あぁ、脱退しても、リーダーはここにおるんやなぁ、と  感じてしまいました。というか、正直爆笑。めちゃめちゃ面白かったです。そして、今  までの空気を払拭したところで、また演奏へ。  「Sun」「Jive」を演奏しました。この時はね。もう、ベースソロがあっても、素直に  受け止めることができました。サポートギターの人は、リーダー休養中に、ツアーを  一緒にまわった人だったので、やっぱり音が馴染んでいまして。良かったです。ライブ  バンドとしてGRAPEVINEが存在するために、リーダーが脱退した、というのが、やっと  理解できた気がしました。そして「懐かシングル!」と寒いギャグを飛ばして、「白日」  へ。会場は、イントロから一気にテンションあがりました。そして、「discord」「R&R  ニアラズ」「let in me 〜おれがおれが〜」と、ライブナンバーが続き、一番最初の  テンションに、客席が引き戻されました。そして、「Scare」「(All the young)Yellow」  ときて、「最後のナンバーです」という言葉の後に、「アナザースカイ」。  私の中では、今回の本編、長いMC前と後に、勝手に分けているんですが。後半戦は、  本当に、grapevineがライブバンドとして大きい成長を遂げたと感じるぐらいに、  引き込まれてしまいました。何だろう。照明が変わるたびに、目の前に何か、別の  風景が現れる感覚を覚えました。特に「アナザースカイ」。これは、本当に良かった  です。鳥肌立ちました。  アンコールは「ふたり」からしっとりと始まり、「100cc」で一気に盛り上がり。  そして、「HEAD」で終わりました。まるで次へ続くような。そんな終わり方でした。  まぁレポートなはずが、私の電波を語るだけになった気がしましたが。  行って良かったと思います。今回のツアー。  正直、ライブ代以上のものを得れた気分です。  終始、満面の笑みで演奏していたボーカル田中の印象が、異常に残っているんですが。  これから、GRAPEVINEは大きく成長していくんだなぁと、確信を抱きました。  GRAPEVINEの次の新譜をはじめ、これからを、楽しみにしたいと思います。

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