Automatic?

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−CCCD考−
 もし私が、世界一の権力者だとしたら、PE'Zのアルバム「9月の空」をCCCDに  することを決めた人を左遷します。サイトウです。  まぁ何ていうか、最近、レコード屋で「<ご注意>このCDはコピーコントロール  CDです。」なんていう注意書きをよく目にしますな。コピーコントロールCD。  略してCCCD。CDの売上が落ちているのを、「販売量が減っているのは、デジタル  コピーによる海賊版が出回っているせいである」として、レコード会社が違法コピーを  防止する策として採用したものです。このCCCDっていうのは、CDにプロテクト技術  をほどこしていて、音質が少し悪くなる代わりに、パソコンなどで複製を作れないように  しているんですって。まぁ、音質が少し悪くなるといっても、普通に聴く分には、ほと  んど分からないそうなんですけれど。  で、まぁ、私も音楽好きですから。CCCDに関する、様々な批判分は読んでいたもの  の、自分の耳で確かめるまでは、判断を待とうと思っていたんですよ。で、ようやく  CCCD付のCDを購入したので、PE'ZのAkatsukiという曲で、事の真偽を確かめて  みました。Akatsukiという曲は、シングルは普通のCD、アルバムはCCCDに収め  られています。マスターは同じで、アレンジも何も加えられていないので、純粋な意味  での聴き比べができるでしょう。というわけで、さっそく並べて聴いてみました。  音、全く違うんですが。  具体的に言うと、最後にトランペットの音がフェードアウトしていくところ。普通の  CDでは、みっしり詰まっている音が、CCCDではスカスカに穴が空いて、空気でも  入ったような軽い音になってしまっています。その他にも、ドラムのハイハットの音が  耳につくような「パチパチ」とした音になっていること。音の厚みが、全くといって  いいほど軽い音になってしまってます。確かに、「並べて聴かないと気にならない程度」  かもしれませんが、並べて聴いたら如実に分かるのはどうかと思います。9月の空、  というアルバム自体はいいと思うのですが、妙に音がスカスカしているな、と思ったら、  CDのせいでした。これはひどい。本当にひどいです。  でね。これでまだ、本来の目的である「コピーガード」というものができているのなら、  しょうがないのかもしれませんよ? できてません。全くできてません。ためしに、  MP3に変換してコピーしてみたのですが、少々雑音っぽい音が混じったぐらいで、  無事コピーすることができました。全く問題無し。それこそ、CD買うほど好きでは  ない人には、十分楽しめる音質でコピーできたと思います。  正規に、3000円金払って買った人間に、悪い音質のもの押し付けておいて、全く  利点がないなんて、どういうことなんでしょうか。  で、レコード協会はどういう反応見せているのかな、と思ったら、  「確かに,CDSでは満足にコピーを防止できないケースがあるかもしれない。だがその   ことよりも,オーディオCDにはこれまで,何の著作権保護機能も施してこなかった   ことのほうが大きな問題である」  あなた様の頭の方が大きな問題です、というような発言をなされていました。  いや、確かに著作権保護機能は大切でしょう。利益を守ることも大切ですよ。でも、  「防止できないケースがある」、のではなく、「防止できていない」し、消費者は  不利益や迷惑をこうむっているわけです。簡単に言うと、CDが勝手に音質悪くなっ  て、消費者に不利益を与えているのです。それを、「だがそのことよりも」と流し、  「何の著作権保護機能も施してこなかったことのほうが大きな問題」というのは、  いかがなものなんでしょうか。  ある商店が、泥棒に入られました。泥棒に入られた原因は、今まで鍵をつけていなかった  から。これからは、ドアに錠前をつけるようにします。  うん。分かる話です。確かに、自分の財を守るためには、まともな話でしょう。  でも、その前に泥棒を捕まえるのが普通ですよね? そして、錠前つけるなら、きっちり  鍵までかけるのが普通ですよね? 錠前つけるからって、客に売る商品の質を落としま  せんよね? 錠前だけつけて、悦に入って、「やぁ、これで泥棒も入らないに違いない。  だいたい、今まで鍵つけなかったのがおかしい」と言うのなんて、天才バカボンの世界  ですよ。拳銃持ったお巡りさんに、追いかけられてナンボです。CCCDの音質の前に、  このレコード協会の会長の頭自体が、スカスカになっているのかもしれません。  まぁそうボロクソに言っていても、私のような音楽の奴隷は、好きなアーティストが  CCCDでアルバムを発表してしまえば、多少音質が悪くても、買ってしまいます。  不買運動なんて、好きなアーティストをレコード会社に人質にとられているような、  今の状態では、不可能です。が、しかし、それ以外のアーティスト。たとえば、テレビ  で流れていて、今度買ってみようかな、と思っていた曲とかが、CCCDで発売されて  いたら。買うのやめて、レンタルで済ませようとか思いますよ。どうせ音質が悪いの  なら、正規の金額払うの、バカらしいですもの。遺伝子組み替えの食品を、好き好んで  食べる人がいないように、CCCDを好き好んで買う人はいないと思います。  まぁとにかく私は、CCCDを強く批判いたします。ついでにレコード協会の無能さも  批判いたします。  ちなみに、先日、ビクターが現在のコピーガード方式ではなく、新しいコピーガード方式  を採用する、という記事が出ておりました。現在の欠点だらけの技術ではなく、著作権  を本当の意味で保護してくれる機能なら、あった方がいいと思うので、サイトウは、  ビクターの新方式に注目&期待したいと思います。がんばれビクター。
2002.9.24.

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